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半導体・FPDメーカーの環境対策と関連産業

PFCガス対策
PFCガス排出量の削減に向けて

半導体の微細化・薄膜化が進み,またデジタル家電や自動車向けといった新たな市場が拡大していることから,エレクトロニクス関連産業の高品質化,生産効率化のニーズが高まっている。そのため,半導体の製造に使用する特殊ガスにおいても環境や安全性など様々な対応が求められている。環境に関してはクリーニングやエッチングに使用されるCF4やNF3といったパーフルオロカーボン類(PFC)ガスは極めて高い温室効果があり,10年までに10%以上の削減(95年を基準)が求められている。そのため,半導体メーカーではプロセスの最適化やPFC除害装置の設置,代替ガスの導入などにより,PFCガスの排出量削減に積極的に取り組んでいる。また,安全に関して製造プロセスでは,毒性・危険性の極めて高い特殊ガスが使用されており,事故が発生した場合の被害は周囲にも及ぶ。従って,その取り扱いには,できる限りの対策を施さねばならず,また徹底した管理が必要となる。
97年に京都で開催された「国連気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)」において,先進国における温室効果ガスの排出削減目標などを定めた京都議定書が採択された。COP3削減対象ガスには,CO2やCH4,N2O,そして,CF4やNF3といったPFCガスが含まれる。PFCガスは,半導体製造プロセスで多く用いられ,チャンバ内に堆積した不純物質を除去するクリーニングガスや,微細パターンを形成するためのエッチングガスに使用されている。
このPFCは,大気中での寿命が長く,地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)が,CO2の5000倍〜2万倍以上と非常に高い。そのため,COP3で規制対象物質となっている他,99年の世界半導体会議(WSC)では,10年までに95年を基準として総排出量を10%以上削減することが合意されている。
この目標達成に向けた対策には,(1)プロセスの最適化による使用量の削減,(2)PFC処理装置による排出ガスの無害化,(3)代替ガス導入,の3種類がある。(1)のプロセスの最適化については,すでに技術的にある程度完成しており,現在の取り組みとしては,(2)の除害装置の設置,(3)の代替ガス導入が中心となる。この場合,これから工場に設置される新しいラインには,初めから除害装置を設置すればよいが,既存のラインについては,設置スペースやラインの生産維持の関係で除害装置の設置工事が困難な場合も多く,(3)の代替ガス導入が対策の切り札となってくる。

PFC代替ガス

PFC代替ガスについては,地球環境産業技術研究機構(RITE)の半導体CVD洗浄プロジェクト室が,プラズマCVD工程で排出されてきたPFCガスやSF6などの温室効果ガスの代替ガスとして,COF2とF2に着目し,温室効果ガス排出量を大幅に削減する代替ガスシステムを開発した。これまでCVD装置のチャンバクリーニングには,C2F6やSF6などのフッ素系ガスが用いられてきたが,GWPが大きく代替ガスが模索されていた。COF2やF2は,GWPが低いだけでなく,従来ガスと比較してエッチング速度にも優れている。特にF2に関しては,PFCガスと比較しても著しく高いエッチング速度を示している。また,アルカリ性水溶液による吸収で簡単に除害できる特性を持つため,既設の除害装置でも十分対応可能である。

PFC除害装置

PFC除害装置による排出ガスの無害化では,従来から用いられてきた燃焼式除害装置に代わって,プラズマでPFCガスを除害する装置が台頭してきている。プラズマを用いた場合,ランニングコストを大幅に削減できる上,燃焼式で問題となっていたNOxも発生しない。そのため,プラズマ方式の注目度が高まっている。
PFCガスに対応した除害装置としては,高温処理が必要となるため,燃焼式装置の導入が進んできた。しかし,実際には高温処理は難しく,その他の面でも様々な問題が指摘されている。例えばコストの問題や設置環境の問題である。燃焼式は,CF4を分解するのに約1500℃まで温度を上昇させるため,大量の燃料を消費しランニングコストが高い。また,高温にするためにはNOxが発生してしまう上に,装置の筐体も大きくしなければならず,導入にはライン全体のレイアウトの見直しからやらなければならない場合もある。一方,プラズマ方式は,例えばCF4を分解する場合,プラズマを励起させてH2OガスやO2ガスを添加し,HF(O2ガス添加の場合はCOF2)とCO2に分解する。プラズマによる反応により分解すれば,NOxは発生せず,しかも燃焼式と比較して大幅にランニングコストを削減することができる。
また,最近ではPFCの除害だけでなく,リサイクルへの取り組みも始まってきている。岩谷産業は,PFCガスを高効率分解し,発生するフッ素成分を濃度90%以上のCaF2に変換することで,CaF2代替物質としてフッ素リサイクルを可能にする新しい技術「WINLOOP(Winner’s Fluorine Loop Technologies)」を開発している。主なシステムは,PFCガスの高効率分解および特殊材料ガスの除害を担当する燃焼式除害部,発生する粉体の除去を担当する粉体除去部,フッ素成分を固定・濃縮を担当する乾式フッ素回収部の三つの機器によって構成されている。同技術によりGWPの高いPFCガスを,エネルギー負荷の高いウェット方式ではなく,完全なドライ処理によって無毒化・除去する。さらに,通常は廃棄物となる乾式反応薬剤を,鉄鋼向け原料などの用途として販売し,ゼロエミッションを達成するだけでなく,PFCガスの原料であるHFの出発原料CaF2に変換させるフッ素回収リサイクルを可能にしている。

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